2017年08月26日
夏の思い出

夏の終わりが近づくと 思い出す
気が付けば もう39年前ざっと40年だね
8月25日 上野の都立美術館のバイトを切り上げ
そこの先輩に影響され 北海道へ単身旅発った
学生気分を一新し
青春の傷心も深い淵に投げ込んでしまおうと
(コウタロウの岬めぐりがBGMだね)
バイトで貯めた現金は13万円
テントと ユースホステル手帳をビニル袋にくるんで
コールマンのストーブやコッヘル 燃料も
振り分け荷物 登山用リュックサック デイパックに分けて
思えば凄い恰好で ホンダXL250も悲鳴を上げていた
早朝 誰にも迷惑がかからないよう
足音も忍ばせ 旧甲州街道の端っこでキックスタート
東京府中のアパートを出発
当初は10日間の小旅行のつもりだったので
バイト先以外は 誰にも知らせず
高鳴る鼓動を押し隠すように
スロットルを開けていく
ああ懐かしい もう忘れかけた青春のときめき
結局 2ヶ月間のツーリングになってしまって
江差で海水浴 台風に遭遇し
尾岱沼で一文無しになる頃には
初雪のたよりと同時に 手足は凍り
夏用のスタイルにありったけの服を達磨のように着て
漁協で買った雨合羽やゴム手袋を
既存のカッパの上に さらに重ね着して しぐれの中を進んだ
今ごろ道内も至る処
観光化され高速道をバスが疾走しているらしい
砂利道だらけを ネズミ捕りとガス欠に注意しながら
ホコリにまみれた当時を もう彷彿とさせる跡形もないと
少し前、仕事から帰った知人に知らされ唖然とした
寂しいけれど観光化された桃源郷の行く末は
何処も同じような 末路を辿るのだろう
カメラもスケッチブックも持たないと決めた旅のおかげで
カムイワッカもオホーツクのあきあじ漁も 利尻や礼文
ガスに巻かれた羅臼で拾った命も
色褪せずに胸の中にあり続けている
Posted by げんきくん at 17:13│Comments(0)
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