利尻昆布

げんきくん

2010年10月24日 14:42

はまぞうの欄外広告に「利尻ヘアカラーうんぬん」とあって
 ふと 利尻昆布を思い出した。

XL250で北海道を旅して 稚内からフェリーで礼文島に向った。
 礼文に向う海は 深い群青色で 落ちたら二度と上がってこれないような色だった。


当時 道内は舗装されない荒れ道も多く
 稚内に付く頃には 特製の荷台が折れてしまい 走行困難。 
 鉄工屋さんを探して 無理やり頼んで速攻で溶接補強してもらった。
 しかも タダ同然の工賃で。
 お礼が遅くなりましたが その節はありがとうございました。

で港に向かうと もうその日のフェリーはそれが最終便
 しかもゲートが 半分閉まりかかったところに走りこんで
 ここでも 無理やりゲートを下ろしてもらっい
 上で観ていた連中に 拍手で迎えられて無事乗船。たはっ

基本 行き当たりばったりの旅で 直前まで宿は決めず
 もちろん当時は携帯電話もない時代だから
 行き着いたところで
 飛び込みで 温情頼みに泊めてもらう。

礼文初日は 今もあるのだろうか
 東の外れに位置する 民宿を訪ねた。
 久しぶりに お風呂を使わせてもらって
 夕食に出されたのが 利尻昆布の煮物だった。
 他にも いっぱい美味しい料理が並んだが
 今でも思い出すのは とろけるような昆布の煮物で
 春先に礼文の海岸に打ち寄せられる昆布だそうで
 多分 地元の人しか食べられない。
 (礼文で採れても利尻昆布とは これ如何に?)

 確かにあれから30年以上経つけど 
 あれに勝る昆布に出会った事が無く とても懐かしい。


疲れて 早めに床に就いたのだけれど
 しばらくして ふと誰かに呼び起された気がして目が覚めると
 窓の外は静かな海で
 今まさに 月が海に沈む刹那だった。

 その時初めて 月も海に沈むんだと 気がついた。

 しばし その荘厳な時間を楽しんで
 ふたたび うつらと眠りにつくが
 まぶたの裏に きらきらと海面を照らす欠けた月が消えずに残った。


翌朝 民宿の御主人にお礼をのべて 
 島の反対側 桃岩に向って XLを走らせた。

 

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